アレルギー検査View39:IgE 5,000超えでも冷静に

今日はView39という保険適用のアレルギー検査について書いてみようと思います。

私は重度のアレルギー体質で現在も治療中のため、新しい病院に行く際はアナフィラキシーショックが起きないように検査結果をいつも見せています。年々アレルギー問題が深刻になっていて、色々な体質の方が多いと思いますが、病院や学校、職場などでさっと「私はこういう体質なんです」と宣言できるだけでだいぶ生きやすくなります。もちろん検査結果が絶対というわけではありませんが、不安のある方は一度アレルギー検査を受けることを考えてみてほしいなと思います。

 

目次

 アレルギー検査 Viewアレルギー39

アレルギー検査というと血液検査によって血中抗原特異的IgE抗体を調べる場合が多いです。IgE抗体とはアレルギー反応にかかわる物質です。どのアレルゲンに対するIgE抗体がどのくらいあるかを調べ、数値が高いほどアレルギー反応が出る可能性が高いことを示します。なお、他にも皮膚テストなどの検査方法もありますが、今回は省略します。


この血液検査による方法の場合、自分で検査対象項目を選択できるものもありますが、セットでかつ保険適用で受けられる検査となると「Viewアレルギー39」というものをがあります。2016年から始まったもので、非特異的Ig-Eの数値に加えて、あらかじめ決められた39項目のアレルゲンを一度に調べられるものです。花粉やハウスダスト、卵や小麦などアレルゲンとなりやすい項目がセットになっているので、初めてアレルギー検査を受けられる方にはおすすめです。39項目もあるのだから、多めに血を抜かれるのかもしれないなんて素人の不安をよそに、採取量は少量でした。普通の健康診断と変わらない気がします。また私の場合、肘の裏に湿疹が出ていたため、アルコール脱脂綿でかぶれるかもしれない不安があることを伝えると、アルコールなしで拭いてもらえました。こういう健康な人なら気にも留めないような事にも気を遣いますが慣れていけばストレスにもならなくなってきます。あと、理解ある医師との出会い、これが大事。 

検査項目

吸入アレルゲン

室内地塵 ハウスダスト、ヤケヒョウダニ
樹木 スギ、ヒノキ、ハンノキ、シラカン
草本類(イネ科) カモガヤ、オオアワガエリ
草本類(キク科) ブタクサ、ヨモギ
空中真菌(カビ) アルテルナリア、アスペルギルス
真菌 カンジタ、マラセチア
その他 ラテックス
動物(皮屑) ネコ、イヌ
昆虫 ゴキブリ、ガ

 

植物アレルゲン

卵白、オボムコイド
牛乳 ミルク
小麦 小麦
豆・穀・種実類 大豆、米、ソバ、ピーナッツ、ゴマ
甲殻類 エビ、カニ
果実 リンゴ、キウイ、バナナ
魚・肉類 マグロ、サケ、サバ、牛肉、鶏肉、豚肉

なお、各項目の詳細については下記ウェブサイトで読むことができます。検査結果に記載されているQRコードからとべます。

アレルゲン情報(吸入・その他) - Phadia - Setting the Standard - Phadia.com

 

結果の見方

IgEが高いからといって必ずアトピーや喘息の症状が出るというわけではありませんし、陽性反応が出ているからと言ってその食べ物を食べると必ずアレルギー反応が出るわけでもありません。この辺りが判断難しいなあと思うのですが。

非特異的Ige基準値
年齢(歳)
平均値±1SD
1未満
1.36 ~ 19.32
1~3
5.24 ~ 29.99
4~6
5.19 ~ 111.94
7~9
13.12 ~ 141.91
10~12
11.09 ~ 171.79
13~18
24.72 ~ 126.77
19以上
27.54 ~ 138.34

 

クラス判定表
判定
クラス
インデックス値
陰性
0
0.27未満
擬陽性
1
0.27以上 0.50未満
陽性
2
0.50以上 1.80未満
3
1.80以上 7.05未満
4
7.05以上 17.35未満
5
17.35以上 29.31未満
6
29.31以上

 

費用

保険適用(3割負担)で診察料を合わせて5,470円(税込)でした。初・再診料125点、検査1,699点。ちなみに合計額は18,240円なので、保険に入っていないとつらいです。アメリカとかだといくらくらいで検査できるんだろうか。

 

なお、私は受けたことがありませんが、View39の他にも「CAPアレルゲン16種セット」や「MAST36」といった検査セットもあるようです。

 

検査結果

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非特異的IgE 5,235 IU/mL(27歳)

19歳以上の平均値は27.54 ~ 138.34なので0が2ケタ違います。

ある程度覚悟はしていましたが、IgE 5,235という数値には「ああ...5,000超えたか」というショックはありました。試しに妹の検査結果も見せてもらいましたが、IgEは200台、花粉以外はほとんどクラス0(陰性)でした。これだけたくさんの項目で反応が出ているとうっかり「クラス1~2なら軽い方なのかな」なんて勘違いしてしまいますが、普通はクラス0なんですよね。姉妹でこんなにも違うとさすがに少しへこみます。遺伝って残酷。

 

ちなみに子どもの頃からIgeは4ケタあり、アトピーや喘息、結膜炎、盲腸の手術の際に使う溶ける糸でアナフィラキシーショックを起こして3か月傷口が塞がらずに膿んでしまう、抗生物質を飲むとぐったり動けなくなってしまうなどの経験がありました。なお、片親が元々アトピー体質でした。

 

クラス3以上だった項目(陽性)

ヤケヒョウダニ(6)

ハウスダスト1(6)

マラセチア (4)

カモガヤ(3)

オオアワガエリ(3)

イヌ皮屑(3)

キウイ(3)

バナナ(3)

ハウスダストは昔からMAXの値が出ていたので気を付けています。毎年、春夏に全身の皮膚の痒みや湿疹、鼻炎、目の痒みが悪化する傾向があり悩まされていたのですが、これは5~9月頃のイネ科(カモガヤやオオアワガエリ)と気温・湿度が高くなり繁殖し始めるカビ菌(マラセチアやカンジタ)にも身体が反応していたからなのだと分かりました。これが分かったのは今回の収穫でした。カンジタなどのカビ菌については色々と勉強中なので追々...。

 

なお、下記図は検査結果の裏面に記載されているアレルゲンカレンダーです。ご参考までに。

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クラス0だった項目(陰性)

サケ

サバ

鶏肉

卵白

オボムコイド

反対に「えっ、私大丈夫なの」と驚いたのが、鶏肉と卵。嬉しかった。イワシ、アジ、サケ、サバは大事なたんぱく源として食べていたので、少しほっとしました。ちなみに大学生の頃の日記で、Bigboyのステーキを食べた翌日に「なんだか身体が痒い!」と書いていたので、牛肉、豚肉は結果どおりかなあ。

 

ちなみにオボムコイドについては、VIew39の検査結果では以下のように説明されています。

鶏卵は日本の食物アレルギーの原因として最も頻度の高い食品です。オボムコイドは卵白中のタンパク成分の一つで熱や消化酵素の影響を受けにくく、加熱してもアレルギーを起こす性質は変わりません。卵白に含まれる他のタンパク成分は、加熱するとアレルギーを起こす性質を失い易いとされています。卵白にアレルギーがあっても、オボムコイドにアレルギーがない人は、固ゆで卵や加熱加工した卵を食べられる可能性があります。 

 

つまり、卵かけご飯などの生卵は食べられないけれど、卵焼きなどの過熱した卵は食べられるということです。

とはいえ、重度のアトピー患者はタンパク質の分解が苦手と言われているので、鶏肉、卵も引き続き食べる量は、健康な人よりもずっと注意する必要があると思っています。